行政手続き時の本人確認に「LINE Pay 公的個人認証サービス」とLINE eKYCとの併用運用でより多くの方に利便性を提供!
東京都渋谷区では、2022年1月より、住民票の写しや印鑑証明書、税証明書などの手続きをLINE上から申請する際の本人確認手段として、LINE
Payによる公的個人認証サービスを取り入れています。
今回は、LINE
Payを導入したきっかけやメリットについて、渋谷区
デジタルサービス部デジタルサービス推進担当課長の宝田様にお話を伺いました。
- ざっくりいうと
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利用用途:行政手続きをLINE上から申請する際の本人確認手段
- LINE eKYCとの併用運用により、より多くの住民に利便性を提供
- 電子署名が必要な申請もLINEによる申請を可能とすることで高いユーザビリティを実現
- 24時間365日いつでも使えるので来庁が困難な住民にとっても便利
――LINE Pay 公的個人認証サービスをどのような用途で利用していますか?
住民票の写しや印鑑証明書、税証明書などの手続きをLINE上から申請する際の本人確認として利用しています。
最近では、ハッピーマザー出産助成金の申請でも本人確認の際にLINE
Payの公的個人認証サービスを選択できるようにしています。また、今年の6月から保育料の還付請求もLINEで行えるようにしていて、LINE
eKYCとLINE
Pay
公的個人認証サービスを選択式で活用しています。
――LINE Pay 公的個人認証サービスを導入する前はどのような手段で行っていましたか?
窓口やコンビニでの交付を行っていました。LINEによる申請についてはLINE eKYCを活用していました。
――LINE eKYCを併用運用されている理由をお聞かせください
マイナンバーカードは普及してきておりますが、半数近い方がまだお持ちでない状況のため、そういった公的個人認証サービスを利用できない方へも同様の利便性を提供していくことが重要だと考えています。ですので、今後も電子署名が必須ではない手続きについては、LINE eKYCを選択肢として併用して提供していきたいと考えています。
――LINE eKYCと比較したLINE Pay 公的個人認証サービスの実績はいかがでしょうか?
1つの申請の中での割合でいうと、5割以上がLINE eKYCによるものですが、最近はLINE Pay 公的個人認証サービスを選択する方が半数近くに増えてきています。
――どこで・どのようにLINE Pay 公的個人認証サービスをお知りになりましたか?また、導入前は、どのようなお困りごとを抱えていましたか?
LINE
Pay
公的個人認証サービスは、委託事業者を通じて知りました。
導入前の困り事としては、LINE
eKYCだけでは、電子署名が必要な申請に対して結果としてオンライン化が進まないといった点です。
法律上、電子署名がないとオンライン申請ができない手続きもあるので、そこでLINE
Pay
公的個人認証サービスの必要性を感じました。
――LINE Pay 公的個人認証サービス導入の決め手はどこでしたか?
渋谷区では、住民の方が日常的に使っていて余計な手間をかけずに行政手続きができるという点で、日本での月間利用者数が9,200万人(2022年3月時点)で、誰もが日常的に使っているLINEによる申請を推進しています。そこで、LINEと親和性が高くファミリーサービスであるLINE Payの公的個人認証サービスを導入したいと考えました。 LINEで申請をして、シームレスに本人確認ができて審査が完結するのが便利だと思います。
――現在はどのような方のご利用が多いですか?
申請によって利用者層も異なってきます。保育料やハッピーマザー出産助成金のような特定の利用者層の限られる申請以外は、全世代の方に幅広く利用いただいていると思います。
当初は、子育て世代に向けたサービスを中心に始めたので、利用者はそういった世代が多いように感じますが、様々な申請、手続きを取り扱うようになってから、1年前くらいからシニア層の利用者も増えてきたように感じます。
――LINEで受け取ったお客さまの反応を教えてください
「わかりやすく簡単にすぐにできた」、「コロナ渦でわざわざ外出しなくても自宅から済ませることが出来た」という点が評価されています。
例えば、住民税の証明書などはその年の1月1日時点で住民登録されている役所から発行されるので、その後引っ越してしまった場合は、1月1日時点で住民登録されている役所まで取りに行くか、郵送で申請しなければなりません。その点、LINEで申請をすればわざわざ出向かなくとも、また面倒な郵送手続きをしなくても、証明書が交付されるので便利だという声をいただいています。
また、窓口で申請する場合は書類を記入しなければなりませんが、LINEの場合は一問一答形式でトークの質問に答えていけばいつの間にか申請が終わるので、どこに何を記入すればいいかなど迷うこともなく簡単でわかりやすいものになっています。そして24時間365日いつでも申請できるという点もLINEならではの良さだと思います。働かれていて日中は役所に行くことが出来ない方もいるので、こういったいつでも簡単に申請ができるチャネルは必要だと思います。
また、実際に利用された方の反応も97%の方から好意的な評価をいただいています。
――運用面で工夫していることや気をつけていることはありますか?
申請受付後の処理や確認、郵送といった作業が人の手を介して行うアナログ処理のため、処理に抜け漏れ等が起きないように担当者に申請が来たことを知らせるアラートが届くようにしています。欲を言えば、申請がそのまま業務システムに連動して必要な書類が自動的に発行されるようになるのが理想的ですね。
また、いくらいいサービスでもその存在を知らなければ使われないことになりますので、LINE公式アカウントによるセグメント配信や、区役所内のデジタルサイネージなどで、区民にわかりやすく新サービスを伝えるようにしています。
――LINE Pay 公的個人認証サービスを導入された職員様の声があれば教えてください
申請の種類によって業務効率化への影響が異なってきますね。
例えば、住民票や印鑑証明書のような、もともと母数が多い一般的な行政手続きにおいては、まだまだLINEでの申請数は微々たるものなので、正直、インパクトはほとんどありません。一方で、保育料の還付請求やハッピーマザー出産助成金などといったターゲットが絞られている手続きに関しては、効果的に周知ができますので、LINEからの申請も多く、職員からも概ね好評です。
――導入する際に苦労されたことについて教えてください
LINE申請の導入を考えた際、担当部署からは自分たちの業務にどれだけの影響があるのか、逆に仕事が増えてしまわないかなどの懸念があったので、導入することによってユーザーの利便性はもちろん、将来的には業務効率化にも繋がることを説明して協力を得られるよう心掛けました。
――上記についてどのような資料などがあると解決しやすいですか?
資料というよりも、導入した成功事例をコツコツ積み上げていくことが一番良いと思いました。渋谷区内のさまざまな申請にLINEを活用し、成功事例を積み上げることによって、役所内の口コミを良くしていき、今までLINEを導入していなかった部署にも興味を持ってもらえればと考えています。
――LINE Pay 公的個人認証サービス導入後に他の自治体からの問い合わせはありましたか?
LINEによる申請に関する問い合わせ自体は非常に多く、度々電話でお尋ねいただいたり、2ヵ月に1回くらいのペースで視察に来ていただいたりします。特に、導入コスト、運用体制・方法、どれくらいの利用が見込めるのかについて気にされていると感じます。
――貴自治体様のマイナンバーカードの普及率と今後の普及目標などありましたら教えて下さい
マイナンバーカードの普及率に関しては、先日50%を超えたところです。今後は、もっと普及率を上げるとともに、より多くの方にマイナンバーカードの利便性を提供していきたいです。もっと多くの方にマイナンバーカードを持っていただき、LINE Pay 公的個人認証サービスを活用していただければ、さまざまなサービスがより大きく展開していきやすいと思います。
――LINE Pay 公的個人認証サービスに期待することや改善してほしいことがあれば教えてください
今も十分にユーザーと親和性が高く、便利なサービスだと思いますが、LINE
Payアカウントを持っていない方でも、よりシームレスに使えるようになればもっと良いと思います。
LINE
Pay
公的個人認証サービスを使うにあたってLINE
Payアカウントが必要になりますが、ユーザーの中にはLINEはアカウントがあるけどLINE
Payのアカウントは持っていないという人もいると思います。LINE
Payアカウントを持っていない人でも簡単に登録できるようになっていますが、そのステップがなくても本人確認ができるようになれば、今後さまざまなサービスにおいてLINE
Pay
公的個人認証サービスを使う人が増えると考えています。
また、LINE
Pay
公的個人認証サービスの導入をきっかけとして、申請だけでなく、地域通貨システムや施設予約システムなどといった渋谷区の他のサービスへの利用促進にも繋がることも期待しています。
――全体的な感想を教えてください
渋谷区のマイナンバーカード普及率が50%を超えたことで、マイナンバーカード所持者が多数派になったと認識しています。今後はマイナンバーカードを交付された方がより多くの恩恵や利便性を享受できるような取り組みを増やしていきたいです。
――ありがとうございました
取材日:2022年7月13日
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