クレジットカードのキャッシング機能が、海外でも使えるということをご存知でしょうか?渡航先のATMで現地通貨を引き出せる海外キャッシングは、海外旅行の際にとても便利なサービスです。利用方法や仕組みをあらかじめ理解しておけば、両替するよりもお得に便利に海外旅行を楽しむことができます。今回は、そんな海外キャッシングの基礎知識やメリット・デメリット、注意点などについてご紹介します。
《TOPICS》
■クレジットカードの海外キャッシングに関する基礎知識
■クレジットカードで海外キャッシングを行うメリット・デメリット
■クレジットカードの海外キャッシング利用に関する注意点
■計画的に海外キャッシングを利用し、海外旅行をお得に楽しもう!
■クレジットカードの海外キャッシングに関する基礎知識
まず始めに、クレジットカードの海外キャッシングに関する基礎知識についてご紹介します。
●海外キャッシングとは?
海外キャッシングとは、世界主要都市の空港や銀行のATMやCD(キャッシュディスペンサー)などで、現地通貨を引き出すことができるとても便利なサービスです。利息やATM利用手数料がかかってしまいますが、銀行や両替所などで両替の手続きをする手間が省けたり、必要に応じて現地で現金を引き出せたりするメリットがあります。なお、海外キャッシングを利用する際は事前に、キャッシングサービスご利用可能枠を設定する必要があるので、この点をご注意ください。
●海外キャッシングを行う方法
海外キャッシングを行うには、現地のATMやCDでキャッシングする方法があります。この場合、所有するカードの国際ブランドに対応しているものである必要があります。またカード会社によっては、海外キャッシングサービスの利用設定が事前に必要です。事前に申請することで海外キャッシングの利用枠が決まります。
ここからは、海外キャッシングする際の一般的な操作の流れを説明します。ATMの機種によって多少は手順が異なりますが、一般的には下記のような操作手順になります。
①ATMのマークを確認する
海外キャッシングに対応しているATMには、VISA、JCB、MasterCardなど、それぞれの国際ブランドのマークが記されています。もしも、国際ブランドのマークがない場合は、「PLUS」マークがVISA、「Cirrus」マークがJCBとMasterCardに対応していることを覚えておくと良いです。
②クレジットカードを挿入する
次に、ATMにクレジットカードを挿入します。海外のATMの中には、カード挿入口が日本と異なるものもあります。日本では、カード表面を上に向けて挿入するタイプが一般的ですが、海外ではカード裏面を上にして挿入するタイプや、カードの磁気テープの部分をカードリーダーにスライドさせるタイプのATMがあります。日本とは違うタイプのATMがあることを、あらかじめ把握しておくと、実際に使うときに慌てずに済みます。
③使用言語を選択
ATMの操作ボタン、もしくは操作キーの「LANGUAGE(言語)」の中から、使用したい言語を選びます。地域によっては、日本語が選択肢にないATMもあります。その場合は、世界共通言語の英語を選択するのが無難です。英語はほとんどのATMで対応可能です。
④暗証番号を入力する
「ENTER PIN(暗証番号を入力)」と表示されたら、暗証番号を入力します。暗証番号は、クレジットカードを発行した際に自分で設定した4桁の番号のことを指します。入力が終わったら、最後に「ENTER」を押します。
⑤取引内容を選択する
取引内容の選択画面が表示されたら、日本語表示に対応しているATMなら「キャッシング」、英語の場合は「CREDIT(クレジット)」、もしくは「WITHDRAWAL(引き出し)」のボタンまたはキーを押します。
※キャッシュカードやデビットカード、プリペイドカードなどでお金を引き出す場合は、「SAVING(預金)」のボタンを選びます。
⑥金額を選択する
あらかじめ決められた金額ボタンから選択、もしくは「OTHER(その他)」を選択し、希望の金額を入力しましょう。金額の選択が終わったら、操作完了です。
操作が完了したら、必ずクレジットカードと利用明細書、引き出した現金を忘れずに受け取りましょう。
■クレジットカードで海外キャッシングを行うメリット・デメリット
次に、海外キャッシングを行うと具体的にどのような点でメリットやデメリットがあるのか紹介します。
●メリット
・両替と比較してお得な場合がある
海外キャッシングは利用日の実勢レートで換算されるため、銀行や両替所などよりも、為替レートが良い場合が一般的です。また、銀行や外貨両替専門店などの両替手数料よりも、キャッシングした場合のほうが、利息やATM手数料を含めても安く済むことがあります。利息は日割り計算のため、早めに返済するとよりお得になります。
・現地で大金を持ち歩かずに済む
通常、海外に渡航する際は事前に外貨両替専門店や銀行で現地通貨に両替するのが一般的ですが、慣れない地域に行くときは、あまり大金を持ち歩きたくないと考える人も多いでしょう。盗難などのリスクに備えて、少なめに両替をしておくのもひとつの方法ですが、それだと滞在中にお金が足りなくなってしまう可能性が出てきます。そんな時に海外キャッシングを利用すれば、ATMで必要な量だけ現地通貨を都度引き落としできるため、現地で大金を持ち歩かずに済みます。そうすれば、治安が悪い場所を訪れても、現金の盗難に遭うリスクを軽減することができるでしょう。
また、海外キャッシング用のクレジットカードと現金を別々に分ければ、万が一盗難や紛失などのトラブルに見舞われた際も、持ち金が全て無くなってしまうリスクを回避できて安心です。
・深夜早朝でも現地通貨を引き出せることがある
海外キャッシングは、銀行や両替所と異なり、好きな時間に現地通貨を引き出しやすいというメリットもあります。海外も日本と同じく24時間対応可能なATMが多いので、現金が必要なときに手軽に引き出せてとても便利です。好きな時間に現地通貨を引き出せると、深夜早朝に現地へ到着する場合などに便利です。
また、窓口でのキャッシングに対応しているケースもあるので、ATM操作が不安なときの選択肢としてご検討ください。
※窓口のご利用にはパスポートの提示が必要となります
●デメリット
・ATMを利用するたびに手数料がかかる
便利でお得な海外キャッシングですが、ATMを利用するたびに手数料がかかってしまうというデメリットもあります。この場合、何度も引き出さずに済むようにしておきましょう。一日に利用する適切な現地通貨の量を想定して、計画的に利用すると良いと思います。
・小額紙幣を入手しにくい
引き出し時に紙幣の種類を選べることが少ないというのも、海外キャッシングのデメリットです。チップなどで小額紙幣が必要な場面があり、高額紙幣のみの場合は崩す必要があるので、この点についてあらかじめ留意しておきましょう。
■クレジットカードの海外キャッシング利用に関する注意点
ここまで海外キャッシングの利用方法やメリット・デメリットを紹介してきましたが、ここからは利用する際の注意点について紹介していきます。
●ATMの利用は迅速に行う
海外キャッシングをする際、ATMの利用は迅速に行いましょう。なぜなら、海外のATMはカードの取り出しが遅いと、防犯上の理由から、カードや現金が機械内に回収されることがあるからです。暗証番号を入力するときも、できるだけ周りに見えないように操作を行いましょう。日本と同じく、海外のATMも24時間ご利用可能な機種が多いですが、安全面を考えるならば夜間の利用はできるだけしないほうが良いです。
●暗証番号を事前に確認しておく
海外キャッシングする際は、事前に暗証番号も確認しておきましょう。暗証番号を複数回間違えてしまうと、同じクレジットカードでの取引を停止されてしまうケースもあるので要注意です。また、中にはクレジットカードそのものがATMに回収されてしまうこともあるので、出発前に必ず暗証番号の確認を行いましょう。
暗証番号を忘れてしまった場合は、カード会社に問い合わせて照会を行いましょう。暗証番号の照会は、基本郵送となり1~2週間ほど期間がかかるため、海外に出発する1~2週間前に確認しておくことをおすすめします。
ATMを利用する際、国によっては5桁以上の暗証番号の入力を求められることがありますが、4桁の番号をそのまま入力して手続きを進めることができます。万が一、うまくいかない場合は別のATMやCDを利用しましょう。
●返済方法を確認する
返済が早ければ早いほど、利息を抑えることができるので、帰国後なるべく早く海外キャッシングの返済を行うのが望ましいです。そのためには、正しい返済日や金利について事前に確認しておく必要があります。
カードによっては、海外キャッシングの返済方法が口座引き落しかリボ払いに設定されていることがあります。その場合、返済するまで利息が加算されて請求額が実際のご利用分より高くなってしまいます。特に、海外でカードを利用した場合は、利用データの到着に時間がかかるので、請求月が遅れて余計に返済日までの期間が長引いてしまう可能性があります。繰り上げ返済や一括返済などが可能かどうか旅行前に確認しましょう。
■計画的に海外キャッシングを利用し、海外旅行をお得に楽しもう!
海外キャッシングは、その仕組みや利用方法などを理解して計画的に利用すれば、よりお得に便利に海外旅行を楽しむことができる便利なサービスです。しかし、慣れない環境下ではいつ何が起こるか予測できません。旅先での支払いを全て海外キャッシングに頼るのではなく、盗難や紛失などといったトラブルが起きる可能性も考えて、外貨両替やカード払いなどと複数の支払い手段を用意しておくことも大切です。