クレジットカード支払いの魅力は、なんといってもカード利用額に応じてポイントが貯まることでしょう。その際、カードのお得さを最大限に発揮する上で重要となるのが「還元率」です。
支払額に対して何円分相当のポイントが還元されるかは、還元率を見ればわかります。1回あたりの買い物代金で比較しても、還元される金額にはそれほど大きな差がないように見えるかもしれません。しかし、地道にコツコツとポイントを貯めると、年間で大きな差が出る可能性も。だからこそ、普段の買い物で使うメインカードには、できるだけ還元率の高いカードを選択して、月々無駄なくポイントを貯めたいですね。
この記事では、クレジットカードのポイント獲得に関わる還元率について、さまざまな観点から解説します。貯めたポイントは景品と交換可能なだけでなく、現金と同様に対象店舗での支払いに使えるなど、魅力的な使い道が充実しています。カード選びで最適な1枚を見つけるために役立つ情報をお伝えしますので、ぜひチェックしてみてください。
《TOPICS》
■クレジットカードの還元率の基礎知識
■クレジットカードのポイント還元率および付与率の計算方法
■ポイント還元を受けられる仕組み【カード支払いの流れ】
■高還元率のクレジットカードの目安
■高還元率のクレジットカードを選ぶポイント
■クレジットカードのポイント還元を効率よく貯めるコツ
■クレジットカードでポイントを貯める際に気をつけたいこと
■還元率の高いクレジットカードでお得にポイントを貯めましょう!
■クレジットカードの還元率の基礎知識
そもそもクレジットカードの還元率にはどんな意味があるのでしょうか。初めに、クレジットカードの還元率に関する基礎知識をお伝えします。
・クレジットカードの還元率とは何か?
クレジットカードの還元率とは、カードの利用金額に対して、お金で換算して何円分相当のポイントが還元されるのかを示す割合のことです。還元率はカードによって異なりますが、割合が高ければ高いほど還元される金額が多くなるので、お得だといえます。
還元率とよく似た言葉に「付与率」があります。付与率とは、クレジットカードの利用金額に対して、どれくらいのポイントが付くのかを示す割合のことです。ただし、還元率とは異なり、お金で換算した際のポイントの価値までは計算に含まれていません。そのため、複数枚のカードのお得さを比較する際は、単に付与されるポイントの割合だけでなく、還元される金額までわかる「還元率」で比較することが大切です。
クレジットカードの中には、特定の条件を満たすことで、通常時よりも還元率がアップするカードもあります。この場合、どこで利用しても適用される基本還元率よりも、特定の店舗やネットショップで適用される還元率のほうが高くなります。普段から還元率の高いお店で買い物をする機会が多い方は、還元率が優遇されるタイプのカードを選ぶと良いでしょう。その一方で、特定のお店での利用頻度が少ない方は、基本還元率の高さを重視してカードを選んだほうが、ポイントが溜まりやすくなります。
なお、高還元でお得なクレジットカードの選び方や、ポイントを効率的に貯めるコツについて、詳細は後ほどご紹介します。ぜひカード選びで判断の参考にしてみてください。
・ポイント以外の方法で還元されるケースはある?
クレジットカードによっては、ポイント以外の方法で利用者に還元されるサービスが用意されている場合もあります。たとえば、ポイントの代わりにキャッシュバックを受けられるサービスや、ポイントの代わりにマイルで還元されるサービスなどが挙げられます。マイルとは、航空会社が提供するポイントのこと。貯めたマイルは航空券などの特典と交換するほか、航空会社と提携するホテルで使うことが可能です。国内旅行や海外旅行で飛行機を利用する機会が多い方は、マイルで還元されるカードを選んでも良いでしょう。
■クレジットカードのポイント還元率および付与率の計算方法
クレジットカードのポイント還元率を計算して、具体的にどれくらいの金額が還元されるのかを確認してみましょう。ここでは、還元率と付与率の計算方法をそれぞれ解説します。
・ポイント還元率の計算方法
ポイント還元率を計算するためには、まず該当のクレジットカードで付与されるポイントに、お金で換算して何円相当の価値があるのかを把握する必要があります。ポイントの価値は、クレジットカード会社の公式サイトなどに「1ポイント=1円」のように記載されているため、あらかじめ確認しておきましょう。ポイント還元率の計算式は以下の通りです。
ポイント還元率(%)=獲得したポイントの価値(円に換算)÷利用金額(円)×100
たとえば、1ポイント=1円の価値があり、かつ利用金額200円に対して1ポイントが貯まるクレジットカードの場合、計算式は「1÷200×100=0.5」で、ポイント還元率は0.5%ということになります。
・ポイント付与率の計算方法
続いて、ポイント付与率の計算方法もご紹介します。先程もお伝えしたように、ポイント付与率とはクレジットカードの利用額に対して付与されるポイントの割合のことです。たとえポイント付与率が高かったとしても、ポイント自体の金銭的価値がわからないため、必ずしもお得であるとは限りません。その仕組みを知るために、以下のポイント付与率の計算式を確認してみましょう。
ポイント付与率(%)=獲得したポイント数(pt)÷利用金額(円)×100
利用金額100円に対して1ポイントが貯まるクレジットカードの場合、計算式は「1÷100×100=1」で、ポイント付与率は1%ということになります。しかし、もしもこの条件で1ポイント=0.5円の価値だとしたら、付与率は1%ですが還元率は0.5%になるのです。このように、付与率のみを計算してもポイントの価値がわからないため、お得さを判断することはできません。ポイントの価値はカードによって異なるので、お得なカードを探したいときは、還元率に注目して徹底比較しましょう。
■ポイント還元を受けられる仕組み【カード支払いの流れ】
なぜ支払い時にクレジットカードを使うだけでポイント還元を受けられるのでしょうか。ここでは、ポイント還元の仕組みをおさらいして、カード払いでお得になる理由を解説します。
Step1.利用者のカード支払金額をカード会社が立て替える
まずは、利用者が加盟店でカード決済を行います。代金は利用者の代わりにカード会社が立て替えて、後日加盟店へ支払われます。そのため、この時点では利用者が代金を支払う必要はありません。
Step2.カード会社が手数料を差し引いた金額を加盟店に支払う
カード会社が加盟店へ代金を支払う際は、手数料が差し引かれます。加盟店はカード会社に手数料を支払うことで、利用者にカード払いのサービスを提供できるようになるのです。カード払いを導入すると、店舗の利便性や業務効率が高まり、加盟店に多くのメリットがもたらされます。
Step3.カード会社が利用者にカード支払い分の金額を請求する
カード会社は、利用者が一定期間に利用した代金を、支払日(引き落とし日)にまとめて請求します。
支払日に請求されるのは、前月の締め日までに利用した代金の合計です。なお、締め日と支払日はカード会社によって異なります。
Step4.加盟店が支払った手数料の一部がポイントとして還元される
利用者からカード会社への支払いが完了すると、加盟店がカード会社に支払った手数料の一部が、ポイントやキャッシュバックによって利用者に還元されます。このように、ポイント還元は基本的に加盟店がカード会社に支払う手数料で賄われているのです。利用者がポイント還元によってメリットを得られる一方で、加盟店はカード払いのサービスを提供することによるメリットを得ています。
■高還元率のクレジットカードの目安
ここまで、還元率の高いクレジットカードを選ぶ重要性をお伝えしました。お得なカードを選ぶためには、さらに一般的な還元率の基準についても押さえておきたいですね。
基本的に、高還元といわれるクレジットカードの還元率は「基本還元率1%以上」の条件が目安とされています。平均的な基本還元率は0.5%程度であることから、こちらを基準に還元率の高さを判断すると良いでしょう。
そこで注意したいのは、同じクレジットカードでも支払方法や支払場所によって還元率が変わる可能性がある点です。たとえば、基本還元率が0.5%と平均的であっても、対象店舗で還元率が1%以上となるカードもあります。対象店舗で利用する機会が多い場合は、実質的に1%以上の高還元を達成できるのです。
クレジットカードを選ぶときは、ポイントの還元方法や還元されるタイミングなどもよく調べて、自分の利用シーンに合ったお得な1枚を選ぶようおすすめします。
■高還元率のクレジットカードを選ぶポイント
高還元率のクレジットカードを選ぶ際は、どんなポイントを意識すれば良いのでしょうか。ここでは、還元率の高いカードをお探しの方へ向けて、選び方の注意点を解説します。
・ポイントの使用方法を確認する
貯めたポイントの使い道は、クレジットカードによってさまざまです。多くのカードでは、貯めたポイントを家電などの景品や商品券などと交換できます。また、ポイントを電子マネーとしてチャージできるカードも少なくありません。ほかにも、特定の店舗や通販サイトでポイントを現金と同様に使えるカードもあります。ただし、ポイントに有効期限が設定されているケースや、ショッピングなど用途限定のケースもあるのが注意点です。高還元率のカードであっても、貯まったポイントが使いづらいと感じる可能性があるため、どんな使い道ができるか事前に確認しておくと安心です。
・決済サービスとの連携を確認する
還元率の高いクレジットカードのなかには、電子マネー(nanaco、WAON、Suica、PASMO、楽天Edyなど)やQRコード決済(PayPay、LINE Pay、au PAY、d払い、楽天ペイ)といった支払手段と連携できるカードも存在します。カードと決済サービスを連携させて支払うと、通常よりも還元率が高まり、お得に使える可能性があるのが大きな魅力です。また、連携によって税金や公共料金の支払い、オンラインストアでの買い物など、利用の幅がさらに広がるのもメリットといえるでしょう。その際、連携によって高還元が期待できる決済サービスの種類はカードによって異なります。普段からよく利用する決済サービスと組み合わせの相性が良いカードを選ぶようおすすめします。
・クレジットカードの年会費を確認する
ランクの高いクレジットカードを保有する場合は、年会費が発生するのが一般的です。たとえば、ブラックカード・プラチナカード・ゴールドカードなどステータス性の高いカードでは、数万円以上の年会費がかかることも珍しくありません。
ランクの高いカードは還元率が高い傾向にあり、空港ラウンジサービスなどの付帯サービスのほか、ショッピング保険や海外旅行傷害保険などの付帯保険が充実しているのがメリットです。また、年間利用額などの条件に応じてポイント加算が行われるため、まとまったポイントを獲得できるチャンスがあります。
ただし、還元率が高い反面、年会費の負担も大きくなるというデメリットも押さえておきましょう。お得さを重視してカードを選ぶなら、年会費無料のカードが適しています。初年度無料のものや、条件を満たせば無料になるもの、年会費永年無料など無料にもさまざまなタイプがあるため、自分の条件に合うものを選びましょう。
■クレジットカードのポイント還元を効率よく貯めるコツ
ポイ活で多くのポイントを貯めるには、地道に取り組み続けることが基本です。還元率の高いカードを活用して効率的にポイントを貯めるには、さらにどんな工夫をしたら良いのでしょうか。ここでは、効率よく貯めるコツをご紹介します。
・固定費をクレジットカードで支払う
公共料金や携帯電話料金、家賃などの固定費をクレジットカード払いに設定すると、ポイントが貯まりやすくなります。固定費は毎月必ず発生する費用のため、カード払いに変更してポイントをもらったほうがお得だといえるでしょう。また、月々の出費をまとめてカード払いにすることで、自動的に利用履歴が残り、家計を簡単に管理しやすくなります。複数の固定費の支払いで、引き落とし口座を確認する面倒な手間がなくなるため、ぜひカード払いによる一元管理をお試しください。
なお、クレジットカードによっては、税金や公共料金の支払いはポイント付与の対象外となる場合があります。カード払いにすることで窓口へ足を運ぶ必要がなくなるというメリットもありますが、ポイント付与の条件については、事前に確認しておきましょう。
・生活費をクレジットカードで支払う
日常的に利用するスーパーマーケットやドラッグストアでは、クレジットカード決済を選択して、こまめにポイントを貯めましょう。1回あたりの利用金額は少ないかもしれませんが、食料品や消耗品など日々のライフスタイルに必要な買い物は、年間合計では積もり積もって大きな金額になるものです。生活費は現金払いからカード払いに変更するようおすすめします。
・電子決済サービスとクレジットカードを連携する
電子マネーやQRコード決済などの電子決済サービスと連携できるクレジットカードをお持ちなら、ぜひ連携の手続きを済ませておきましょう。連携によって還元率が高まる場合、事前に登録手続きが必要となります。まずは電子決済サービスのアカウントを作成しましょう。続いて連携するカードを登録して紐付けることで、還元率アップの対象となります。
・ポイントアップ店や優待店でクレジットカードを使用する
クレジットカードに新規入会したら、ポイントアップ店や優待店の情報をしっかりとチェックしておきましょう。情報はカード公式サイトやアプリなどから確認できます。よく利用する飲食店やコンビニ、ホテルやガソリンスタンド、ショッピングモールなどが対象となっている可能性があります。上手に買い物をして、上乗せポイントをゲットしたいですね。
ポイントアップキャンペーンを利用する
対象サービスを利用するとクレジットカードの獲得ポイントが大幅アップする、お得なポイントアップキャンペーンが開催されることがあります。また時期や会社によっては新規入会キャンペーンを実施していることもあります。キャンペーン期間中は、通常よりも高い還元率でお買い物をするチャンスです。キャンペーン内容によっては、「タッチ決済を利用する」「家族カードを発行する」など複数の条件達成で還元率がさらに上がることも。こまめにキャンペーン情報を確認してエントリーしましょう。
・ポイントモールを経由してネットショッピングをする
ポイントモールとは、百貨店や家電量販店をはじめとした豊富な店舗が集まった、大型のオンラインショップのことです。クレジットカード会社が運営しているため、会員がモール上でカード決済を利用すると、通常ポイントに加えてボーナスポイントが貯まります。ネットショッピングをする際は、ポイントモール経由で購入すると、ほかのサイトで購入する場合よりも多くのポイントを獲得することが可能です。
・ポイントを貯めるためのクレジットカードを別に作る
現在お持ちのクレジットカードの還元率が低めの場合は、ポイントを貯める目的で高還元率のサブカードを作るのも一つの手です。その際、年会費無料のカードであれば、複数枚を保有しても維持費がかからないため安心です。入会キャンペーン期間中に加入すると、キャッシュバックやボーナスポイント付与などの特典が用意されているため、ぜひお得なタイミングで追加カードの申し込みを検討してみてください。
■クレジットカードでポイントを貯める際に気をつけたいこと
クレジットカードは日々の支払いで便利に使えますが、適切な利用を続けるためにも、気をつけておきたいことがあります。これからカードを保有する方は、以下の点に注意しておきましょう。
・ポイントの有効期限を把握する
クレジットカードで付与されるポイントには、有効期限が定められている場合があります。万が一、期間限定ポイントを期限内に使い切れなかったら、ポイントが失効して失われてしまうのが注意点です。
ポイント有効期限の長さはカードによって違いがありますが、一般的には1年~3年が目安となります。なかには無期限の永久不滅ポイントが付与されるカードや、ポイントが付与される度に期限が延長される実質無期限のカードもあります。カードごとの有効期限を把握して、うっかり失効させることがないように、こまめなポイント利用を意識しましょう。
・クレジットカードの利用可能枠を確認する
クレジットカードでは一定期間に利用できる支払金額に上限が設けられており、これを「利用可能枠」と呼びます。利用可能枠はカードの種類や利用者の収入などによって変わり、カード会社のマイページやアプリなどから確認できます。利用可能枠を超えると一時的にカードが停止され、利用分の返済が完了するまでカードを利用できなくなるため注意が必要です。固定費や生活費の支払いにカードを使う予定の方は、毎月の支出に適した利用可能枠のカードを作ると安心できます。
■還元率の高いクレジットカードでお得にポイントを貯めましょう!
ここまで、クレジットカードの還元率について解説しました。還元率とは、カードを利用した際に何円分相当のポイントがもらえるのか、その割合を示すものです。お得なカードを判断する上で欠かせない基準となるため、複数のカードを比較検討する上で押さえておきましょう。さらには、ポイントアップの条件や優待の提携店舗、ポイントの使用方法、決済サービスとの連携性までチェックしておきたいですね。還元率が高めなカードを活用して、効率的にポイントを貯めましょう!