
日頃から生活に追われてしまい、なかなか貯金にお金を回すのが難しいという方もいるでしょう。しかし貯金しておかないと、結婚や子育て時にお金がかかるので、しっかり貯蓄しておくことが大切です。
また、自分と同世代の方は、どれくらいの貯金をしているのか気になる方も多いのではないでしょうか。今回は世代別の平均貯金額についても解説していきます。
《TOPICS》
■世代別の貯金額の平均値
■貯金額の平均に関する基礎知識
■貯金額を増やす方法
■平均貯金額を参考に貯金に回すお金を増やそう
■世代別の貯金額の平均値
世代別にどれくらいの貯金額があるのか、平均値をまとめてみました。自分と同世代の方は、どれくらいの貯金をしているのか参考にしてみてください。
●単身世帯の場合
平均貯蓄額(金融資産保有世帯) | 平均貯蓄額 (金融資産非保有世帯を含む) | 金融資産非保有率 | |
---|---|---|---|
20代 | 139万円 | 77万円 | 43.2% |
30代 | 247万円 | 167万円 | 31.1% |
40代 | 422万円 | 263万円 | 35.5% |
50代 | 559万円 | 322万円 | 41.0% |
60代 | 795万円 | 555万円 | 29.4% |
上記の表にある「金融資産非保有世帯」とは、預貯金を含む金融資産を保有していない世帯と預貯金のみを保有して将来の備えや運用を行っていない世帯のことを指しています。
データを見る限りでは、金融資産非保有世帯の方が平均貯蓄額は低いことがわかるでしょう。
また、金融資産非保有率は単身世帯の場合は20代と50代については、40%を超えていることがわかり、貯金する人としない人の二極化が進んでいるとも言えます。
●2人以上の世帯の場合
平均貯蓄額(金融資産保有世帯) | 平均貯蓄額 (金融資産非保有世帯を含む) | 金融資産非保有率 | |
---|---|---|---|
20代 | 198万円 | 165万円 | 16.0% |
30代 | 284万円 | 261万円 | 8.2% |
40代 | 550万円 | 473万円 | 13.5% |
50代 | 734万円 | 633万円 | 13.3% |
60代 | 1184万円 | 959万円 | 18.3% |
単身世帯と比較すると、二人以上世帯の方が金融資産保有世帯も非保有世帯も平均貯蓄額は多い傾向にあります。データを見る限り、単身世帯よりも金融資産非保有率は低いことがわかるでしょう。
また金融資産非保有率は30代が最も低く、10%を切っています。相対的に貯蓄率の高い世代であるとも言えます。
■貯金額の平均に関する基礎知識
世代別の平均貯金額について紹介しましたが、その中で基礎的に知識について解説していきます。
「平均値」や「中央値」の違いなどを紹介していくので、参考にしてみてください。
●平均値と中央値の違い
まず平均値とは、データを全て足してデータの個数で割った数値のことを指しています。中央値はデータを順に並べて真ん中に来る数値のことです。
データで極端に大きい数値や小さい数値がある場合には、中央値を参考にした方が正しい数値を把握することができます。
平均貯金額に関して、各世代で貯蓄ゼロの金融資産非保有世帯の存在がありました。そのため、実際に多くの人が貯蓄している金額は平均貯蓄額よりも少ない可能性が高いと言えるでしょう。
●収入から貯蓄する目安
収入から貯蓄に回すお金はどれくらいが適切なのでしょうか。単身世帯の場合には、全世帯平均で13%のお金を貯金に回す傾向にあります。二人以上世帯の場合は、全世代平均で10%を貯蓄に回しているようです。従って、貯蓄の目安は年収の10~13%を目標額にすると良いでしょう。
この数値は、2020年時点の金融資産保有世帯における年間手取り収入(臨時収入含む)からの貯蓄割合の全国平均から算出しています。
●ライフイベントにかかる費用の目安
年代に応じてライフイベントがあるので、できるだけ支出に向けて一定の貯蓄は残しておく必要があります。主なライフイベントとしては、以下の種類があるので参考にしてみてください。
・結婚にかかる費用
結婚式・披露宴には250~350万円程度の費用がかかると言われています。ここから、列席するお客様のご祝儀を差し引いたものが自己負担となるので、実際に負担する額はこれよりも低くなります。また、中には両家の両親から結婚資金を援助してもらうケースもあるので、状況に応じてかかってくる費用は異なります。実際にどれくらいの費用がかかるのか事前に把握しておきましょう。
他にも結婚する際には、婚約指輪・結婚指輪の費用、新婚旅行費用、結納式の費用などがかかることもあるでしょう。
・出産にかかる費用
結婚して子供を授かったなら、出産するための費用も念頭に入れておく必要があります。平均的に出産にかかる費用は、50万円程度はかかるでしょう。
しかし出産育児一時金として、42万円の補助を受けられるケースもあるので、実際にはどれくらいの費用がかかるのか事前に把握しておく必要があります。
・子供の教育費
子供が成長してくれば、教育費用がかかってきます。教育費は国公立・私立どの学校に入れるのかによって、具体的な金額は異なるのが特徴です。
一般的に、幼稚園から大学までの一人当たりの教育費は、国公立中心なら1,000万円程度、私立中心なら2,000万~2,500万円程度はかかると言われています。
・住宅購入費
家族で暮らすなら、広い間取りの家に引っ越す必要があります。そのため、家族によっては住宅を購入しようと考える家庭もあるでしょう。
住宅購入費は戸建て・共同住宅によっても価格が異なるので、正しい金額が知りたい方は見積もりを取得してから住宅を購入する必要があります。
平均的には土地付き注文住宅なら4,000万円程度、中古住宅なら2,500万円程度が相場です。
・老後の生活費
2025年4月からは定年が60歳から65歳に延長となりますが、定年退職後には、夫婦で老後生活が始まります。厚生年金や国民年金などの年金収入があったとしても、十分な貯蓄がないと生活を送るのが大変になってしまうおそれがあります。人生100年時代が到来し、老後が長期化しているため、老後資金の準備や確保は重要です。
老後に備えて、まず、ご自身の公的年金の状況を確認し、さらに、退職金や企業年金も含めてチェックし、必要な貯蓄をシミュレーションしておくと良いでしょう。
平均的に、夫婦二人で老後生活をするためには、平均月額22.1万円程度のお金が必要になります。ゆとりのある老後生活を送るなら平均月額36.1万円は必要になるでしょう。
・親の介護費用
親の介護が必要になった時、ある程度の介護費用は必要になってきます。デイサービスなどの在宅サービスを受ける場合には、月平均1.5万円程度の費用は必要になるでしょう。
また老人ホームなどの施設に入居する場合は、月平均15万~30万円はかかることが想定されます。
■貯金額を増やす方法
急な支出が必要になった時のために、貯蓄にお金を回しておくことは大切です。そのためにも、貯金額を増やす方法を解説していくので、参考にしてみてください。
●支出を見直して貯蓄に充てる
貯金額を増やすためにも、まずは支出を見直して節約する意識を持つ必要があります。食費を減らすために外食を減らしたり、通信費を節約するために格安スマホを利用したりすれば、支出は抑えられるでしょう。
また、家計簿を付けるなどして家計収支を常に把握しておくことも重要です。普段の買い物などにクレジットカードを利用しておくと、明細で家計を把握しやすくなるというメリットもあります。
●副業で収入を増やす
近年では、働き方改革などによって副業を認める企業が増えています。家に帰ってからのスキマ時間で出来る副業を少しずつ始めて、収入の合計額を増やせば自然と貯蓄に回せるお金も増えるでしょう。
●積立商品を活用する
金融商品として、月々少しずつ積み立てできるサービスがあります。少額から始めることができ、預貯金以外の資産形成方法として効率よく貯めることが可能です。主な商品には、つみたてNISA、積立投信、iDeCo(個人型確定拠出年金)、積立預金などがあります。
積立商品は、簡単に引き出しできないようになっているため、お金を貯める方法としておすすめです。
■平均貯金額を参考に貯金に回すお金を増やそう
年代別の平均貯金額を紹介してきましたが、自分と比べて貯金額が多いと感じた方は、貯金に回すお金の捻出方法を検討していきましょう。