多くのクレジットカードには、キャッシング機能や分割払い・リボ払いなどの支払い方法が用意されています。簡単な手続きでお金を借りられたり1回あたりの支払い額を減らせたりするため、便利な仕組みではあるものの、利息や手数料には注意しなければなりません。
今回の記事では、クレジットカードの利息などの基礎知識や手数料が発生する条件、減らすためのコツを解説します。計算式を用いて具体的にお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
《TOPICS》
■クレジットカードで利息などが発生するケース
■クレジットカードの利息などの計算方法
■クレジットカードの利息などの金額を抑える方法
■クレジットカードを利用する際は利息や手数料の仕組みを理解しておこう
■クレジットカードで利息などが発生するケース
クレジットカードは、キャッシングサービスやリボルビング払い(リボ払い)、分割払いを利用すると、利息や手数料がかかります。こちらでは、クレジットカードで利息などが発生する仕組みについて、利用方法ごとに分けてご紹介します。
●クレジットカードの利息・手数料とは?
利息とは、現金をクレジットカード会社から借りた場合に、元金に上乗せして支払う料金です。金利と呼ばれる利率を用いて、具体的な返済額を計算します。
手数料とは、分割払いやリボ払いなどを利用した際に、クレジットカード会社に上乗せして支払う料金です。選択した支払い方法によって、手数料率が変化するのが特徴です。
●クレジットカードで利息などが発生するケース
・キャッシング(一括払い)を利用する
クレジットカードのキャッシング枠で現金を借りる場合は、翌月に一括返済しても利息がかかります。ショッピング枠で1回払いを選択した場合は、利息にあたる手数料はかかりません。利息の支払いは、返済日に利息を利用額に加算して支払うことになります。
キャッシングの上限金利は、利息制限法によって定められています。具体的には、借入額が10万円未満の場合は最大20%、10万円以上100万円未満の場合は18%まで、100万円以上の場合は最大15%です。各カード会社により金利は異なりますが、上記の範囲は超えないように設定されています。
<関連記事>
クレジットカードのキャッシングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。是非、ご覧ください。
・キャッシング(リボ払い)を利用する
クレジットカードのキャッシング枠で現金を借り、返済方法としてリボ払いを選択した場合も利息がかかります。利息は、月々の返済日に一定額の元金に利息を加算して支払います。元金の返済額を毎月一定にでき、家計への負担を抑えることができるのはメリットですが、返済期間が長くなると利息負担が大きくなる点には注意が必要です。
・ショッピング(分割払い)を利用する
ショッピングにクレジットカードを利用し、支払い方法として分割払いを選択した場合は手数料がかかります。2回までの分割であれば手数料がかからないカードも多いですが、3回以上の場合は、分割回数に応じて手数料を請求されます。分割回数を増やすと1回あたりの返済額は少なくなりますが、支払総額が大きくなるため、事前に返済シミュレーションを行うことが大切です。
<関連記事>
クレジットカードの分割払いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。是非、ご覧ください。
・ショッピング(リボ払い)を利用する
クレジットカードで買い物を行い、商品代金の支払い方法としてリボ払いを選択した場合も手数料が必要です。毎月のカードの請求日に、元金に手数料を加算した金額を支払います。リボ払いや分割払いを選択する際の手数料率は、カード会社によって異なるものの、12〜15%が一般的です。一括払い以外の支払い方法を利用する際は、事前に手数料率を確認しておきましょう。
<関連記事>
クレジットカードのリボ払いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。是非、ご覧ください。
・支払い遅延が起こる
クレジットカードを利用したものの、支払い期日までに指定口座にお金を用意できず滞納状態になった場合、遅延損害金を請求されます。遅延損害金は正確には利息ではありませんが、一定の金利をもとに算出された金額を支払う必要がある点は同様です。遅延損害金の金利はカード会社によって異なりますが、利息や手数料より高くなるように設定されているケースがほとんどです。
■クレジットカードの利息などの計算方法
キャッシングやリボ払い、分割払いを利用する場合は、事前に支払い金額の目安を計算しておくことが大切です。そこで、こちらではクレジットカードの利息や手数料の計算方法をご紹介します。
●キャッシング(一括払い)の利息
キャッシングで一括払いを選択した場合の利息は、「借入額×金利(年利)÷365×借入日数」で算出されます。例えば、15万円を年利18%で借り、30日で返済する場合の利息は、「150000×0.18÷365×30=2219円」となります。うるう年では、365の部分を366で計算しましょう。
●キャッシング(リボ払い)の利息
キャッシングでリボ払いを選択した場合の利息は、「キャッシング残高×金利(年利)×利用日数÷365」で算出可能です。例えば、20万円を年利17%で借りた場合、30日後の返済日に支払う利息は、「200000×0.17×30÷365=2794円」となります。キャッシングリボの利息計算は、複雑になるケースが多いため、カード会社のシミュレーターなどを活用するのが良いでしょう。
●ショッピング(分割払い)の手数料
ショッピング利用で分割払いを選んだ場合の手数料は、「利用金額×(利用金額100円あたりの手数料額÷100)」で計算可能です。例えば、10万円の商品を5回払い(100円あたりの手数料額:3.4円)で購入した場合、分割手数料の総額は「100000×(3.4÷100)=3400円」となります。「利用金額100円あたりの手数料額」は、クレジットカード会社の公式サイトで公開されています。
●ショッピング(リボ払い)の手数料
ショッピングリボを選んだ場合の手数料の計算方法は、「利用残高×手数料率×利用日数÷365」が基本です。例えば、5万円の商品の支払いにリボ払い(手数料率:14%)を選択した場合、31日後の返済日の手数料は、「50000×0.14×31÷365=594円」となります。キャッシングリボと同様、計算が複雑になる可能性があるため、入念にシミュレーションを行い計画的に利用しましょう。
●遅延損害金
遅延損害金は、「借入残高×遅延損害金利率÷365×延滞日数」で計算可能です。遅延損害金は延滞した部分について生じるため、計算式には総額ではなく借入残高を入れるようにしましょう。例えば、30万円を50日間延滞した場合、遅延損害金率が20%と仮定すると、請求される遅延損害金は「300000×0.2÷365×50=8219円」となります。
■クレジットカードの利息などの金額を抑える方法
クレジットカードは、1回払いやボーナス一括払いで利用すれば、利息や手数料が発生しません。しかし、事情があり、キャッシングや分割払いなどを利用しなければならないケースもあるでしょう。こちらでは、クレジットカードの利息や金利手数料などの金額を抑える方法をご紹介します。
●繰り上げ返済を利用する
リボ払いを選択した場合は、繰り上げ返済を利用するのがおすすめです。繰上げ返済とは、毎月の返済とは別に追加返済する方法で、カード会社に申し込みを行えば対応してもらえます。繰上げ返済を行うことで、借入額を減らせるため、利息の金額も減らすことが可能です。返済方法は、クレジットカード会社の指定口座への振り込み、ATM入金、支払い口座からの引き落としなどが用意されています。
●リボ払いでの1回の支払い額を増額する
リボ払いを利用する際は、1回あたりの支払額を増額するのも効果的です。リボ払いの利息や手数料は、前述の通り、キャッシング残高や利用残高をもとに計算されます。そのため、1回の支払額を増やして残高を減らすことで、利息や手数料の総額を少なくできるのです。
●分割払いの支払い回数をなるべく少なくする
手数料の負担を抑えるには、分割払い時の支払い回数をなるべく少なくしましょう。分割払いの手数料計算に必要な「利用金額100円あたりの手数料額」は、支払い回数が少ないほど小さく設定されているのが一般的です。そのため、分割払いを利用する場合は、支払い回数を減らしたほうが完済までの期間が短くなり、手数料の負担が少なく済みます。
●使い過ぎて支払い遅延を起こさないよう、利用状況を定期的に把握する
支払い遅延を防ぐには、利用状況を定期的に確認し、使い過ぎや借り過ぎていないかチェックしましょう。利用状況の確認には、クレジットカード会社が提供しているアプリやWEBの会員ページなどを活用すると便利です。支払い遅延が発生すると、履歴が信用情報機関に保管され加盟店に共有されるため、今後カードローンや住宅ローンを組む際の審査で不利に働く可能性があります。
■クレジットカードを利用する際は利息や手数料の仕組みを理解しておこう
クレジットカードは、支払い方法によって利息や手数料が変わるため、仕組みを理解していないと想定より多くの金額を支払うことになってしまいます。分割払いやリボ払いを利用する際は、事前にクレジットカード会社のホームページで利率を確認し、利息や手数料のシミュレーションを行いましょう。