公共料金をクレジットカードで支払う際のメリットと注意点

公開日2021.11.11最終更新日 2024.12.03

基本的に、口座振替や払込用紙を利用して支払う方が多い公共料金。普段の買い物でクレジットカードを利用しているのであれば、ぜひ公共料金や家賃など固定費の支払いでもカードを活用しましょう。カード決済は便利なだけでなく、カードポイントを貯めてお得に支払えるのがメリットです。

本記事では、公共料金をクレジットカード払いにする方法やメリット、注意点について徹底解説します。

《TOPICS》

■公共料金はクレジットカード払いと口座振替のどちらがお得?
■クレジットカードで支払える主な公共料金
■公共料金をクレジットカード払いに変更する方法
■公共料金をクレジットカードで支払うメリット
■クレジットカードで公共料金を支払う際の注意点
■クレジットカードで公共料金を支払う際のよくある質問
■公共料金の支払いに使うクレジットカードの選び方
■クレジットカード払いで公共料金をお得に支払いましょう

■公共料金はクレジットカード払いと口座振替のどちらがお得?

公共料金の支払い方法は、主に口座振替やクレジットカード払いのほか、振込などの方法が選択できます。まずは、どの支払い方法がお得になるのか徹底比較します。

●公共料金の主な支払い方法

公共料金の支払い方法には、以下の種類があります。

・口座振替:指定した口座から自動的に引き落とされる
・クレジットカード払い:指定したクレジットカードの利用分として請求される
・振込:振込用紙を利用してコンビニなどで支払う

このうち振込は、一般的に現金払いに限定されます。ただし、例外的にコンビニと提携しているクレジットカードや電子マネーで決済できるケースもあります。また、振込用紙に記載されたバーコードをスマートフォンのQRコード決済で読み取って、オンラインで支払うことも可能です。

●クレジットカード払いと口座振替のどちらがお得?

公共料金の支払い方法は、一般的に「口座振替」と「クレジットカード払い」から選ばれます。それぞれ独自の割引制度があるため、条件を比較して選ぶと良いでしょう。

公共料金の種類によっては、口座振替割引サービスが用意されている場合があります。たとえば、水道光熱費は口座振替にすることで毎月55円(税込)値引きされます。費用の節約につながるのであれば、あえて口座振替を選ぶのも一つの方法です。

一方、クレジットカード払いは利用額に応じてポイントが貯まります。ただし、公共料金の支払いでは還元率が少なくなったり、ポイントが付かなかったりする場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

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クレジットカードの引き落としについては、こちらの記事で詳しく解説しています。是非、ご覧ください。



■クレジットカードで支払える主な公共料金

水道光熱費をはじめとしたほとんどの公共料金は、クレジットカード払いに対応しています。クレジットカードで電気代・ガス代・水道代・携帯料金などの公共料金を支払うには、各サービスの窓口またはWebサイトから支払い方法の変更手続きを行いましょう。

●クレジットカードで支払える公共料金の主な種類

クレジットカード払いに対応している公共料金として、下記の例が挙げられます。
【公共料金の例】 ・携帯電話料金 ・電気料金 ・ガス料金 ・水道料金 ・固定電話料金 ・インターネットプロバイダー利用料金(通信料) ・放送受信料・視聴料 ・新聞購読料 ・国民年金保険料 また、各種税金や保険料が、一部クレジットカード払いに対応している場合があります。 【保険料の例】 ・生命保険 ・損害保険 ・自動車保険 【国税の例】 ・所得税 ・相続税 ・贈与税 ・印紙税 【地方税の例】 ・住民税 ・自動車税 ・固定資産税 ・不動産取得税 ただし、一部の地域やカード会社によっては公金支払いにクレジットカード払いを利用できないこともあるため、事前に確認しておきましょう。

<関連記事> クレジットカードで支払い可能な税金については、こちらの記事で詳しく解説しています。是非、ご覧ください。



■公共料金をクレジットカード払いに変更する方法

ここでは、公共料金を口座引き落としからクレジットカード払いに変更する手続き方法をご紹介します。まずは、電力会社・ガス会社 ・水道局などの各公共料金の窓口に問い合わせましょう。変更手続きには、主にインターネット上で申請する方法と、郵送で申請する方法の2通りのパターンがあります。

インターネットで申請する場合は、各社のWebサイトの申し込みフォームにクレジットカード情報などの必要事項を入力してください。業者によっては利用できない種類のカードもあるので、事前に確認しておきましょう。カード会社の公式サイトから申請できる可能性があるので、入会後にチェックしておくとスムーズです。

郵送で申請する場合は、まず各社に電話などで連絡して変更手続きの必要書類を取り寄せます。書類に記入して返送し、受理されたら手続き完了です。

実際にクレジットカード払いに変更されるまでには、目安として申し込みから1カ月程度の時間がかかります。変更までの支払い方法は会社によって異なるので注意が必要です。たとえば、カード払いが始まるまでは払込用紙による入金が必須となったり、カードで2カ月分がまとめて引き落としになったりするケースもあります。

■公共料金をクレジットカードで支払うメリット

公共料金の支払いは、振込用紙を使って支払うよりもクレジットカードを活用すると便利です。ポイント還元だけでなく、未払いの防止やクレジットヒストリーの構築にもつながるためです。こちらでは、公共料金をクレジットカードで支払うメリットをご紹介します。

●クレジットカードのポイントを貯めやすい

毎月の公共料金をクレジットカード払いにすると、生活に欠かせない公共料金の支払分で、ポイントやマイルを貯められるようになります。支払い金額に応じてポイントが付与されるため、現金払いと比べるとお得といえるでしょう。ポイントは、店舗またはネットショッピングでも貯まります。

効率良くポイントを貯めるなら、利用金額に対して高還元率のクレジットカードで支払うのがおすすめです。キャッシュバックやポイントプレゼントなどの優待キャンペーン情報を入手した場合は、こうしたポイントサービスが実施されるタイミングで新規入会を検討すると良いでしょう。ポイント還元率やポイント付与のタイミング、海外旅行保険などの特典や優待店などの詳細は、カード会社により異なります。申し込み前に、資料請求やホームページなど還元率が高いカードを確認しておくと安心です。

【ポイントが付く税金】
・軽自動車税
・自動車税
・固定資産税

【ポイントが付く保険料】
・生命保険
・医療保険
・がん保険
・個人年金保険
・介護保険
・火災保険

●公共料金の管理がしやすい

公共料金をクレジットカードで支払うと、日々のお買い物と併せて明細を一元管理できることから、家計の支出を把握しやすくなります。また、通常ではそれぞれの公共料金で支払い日が異なりますが、クレジットカード払いなら全ての公共料金を1日にまとめて支払えるのもメリットです。公共料金支払い用の口座を1つに絞り込めば、サービスごとに個別に領収書を確認したり、引き落とし前に銀行口座をチェックしたりする手間を省けます。

●支払いを忘れずに済む

公共料金をクレジットカード支払いにすることで、自動で引き落とされるため、支払いをうっかり忘れる心配がなくなります。振込のように、郵便局や銀行の受付時間内に支払いに行ったり、夜遅くに気づいてコンビニにかけ込んだりする必要もありません。また、振込忘れがなくなることで、延滞料金を支払わなくて済むようになるのもメリットです。

●カードの利用実績を築ける

公共料金の支払い方法をクレジットカードにしておけば、普段あまり使用しなくても利用実績(クレジットヒストリー)を築くことが可能です。クレジットカードによっては、ポイント還元率アップや年会費無料など、現在の利用実績によってカードをよりお得に利用できるようになる場合があります。普段の買い物や移動費などもまとめて実績として残るため、年間の家計管理がしやすくなります。

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クレジットカードの利用者側・店舗側双方のメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。是非、ご覧ください。



■クレジットカードで公共料金を支払う際の注意点

●クレジットカードで支払えない公共料金がある

自治体や事業者によっては、クレジットカード払いに対応していない場合があります。その際は、口座振替や払込用紙などで支払うことになるため、忘れないように注意しましょう。

また、クレジットカードの国際ブランドによっては、公共料金の支払いに利用できないことがあります。国際ブランドとは、VISAやMastercard、JCBカード、アメリカン・エキスプレス(アメックス)など世界各国で利用できるクレジットカードのブランドのことです。新規申し込みの際は、契約中のクレジットカード会社や、各公共料金の支払い先のホームページ等で事前に確認しておきましょう。

●クレジットカードの更新忘れに注意する

クレジットカードの更新を忘れて、有効期限が切れた状態になると、公共料金の支払い漏れが発生するおそれがあります。クレジットカードの発行期間は、申し込んでから7日~10日前後かかるのが一般的です。一方、更新時はクレジットカードの有効期限が近くなると自動更新されて、新しいカードが発行および送付されます。更新の仕組みについては、あらかじめ確認しておくと安心です。新しいクレジットカードが手元に届いたら、各サービスの窓口やWebサイトでクレジットカードの情報を更新しましょう。

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クレジットカードの更新については、こちらの記事で詳しく解説しています。是非、ご覧ください。



●他の支払いとのバランスを確認する

買い物など他の支払いが重なり、クレジットカードの締め日までに利用限度額が不足した状態になると、公共料金を支払えなくなります。公共料金をはじめとする生活費をクレジットカード払いにする場合は、利用可能枠を圧迫しないよう出費のバランスにお気をつけください。使い過ぎを防ぐために、カードごとにしっかり使い道を定めておくのがおすすめです。

利用可能枠は、翌月の支払日に引き落としが完了した金額分だけ空きができ、再び利用できるようになります。また、カード会社によっては、大きな出費をともなう海外旅行の予定があるとき、利用限度額を一時的に増額できるケースがあります。状況に応じて、利用できる金額を調整することが大切です。

●引っ越し時にクレジットカード払いの解約手続きをする

引っ越しにともない公共料金の支払い先が変わる場合は、忘れずに光熱水道費のクレジットカード払いの解約手続きを行いましょう。手続きを忘れると、旧居の基本料金がクレジットカードで引き落とされてしまうことがあります。支払い先が変わらない場合も、住所変更の手続きが必要です。カードの発行会社により異なりますが、一般的には電話や公式サイト、郵送などで住所変更が可能です。引っ越し先の地域がクレジットカード払いに対応しているか、事前に電力会社・ガス会社・水道局の営業日に確認しておくと良いでしょう。

■クレジットカードで公共料金を支払う際のよくある質問

クレジットカードで公共料金を支払うことにあまり馴染みがないと、さまざまな点で戸惑ってしまう可能性があります。こちらでは、公共料金のコンビニ払いでクレジットカードを活用する際によくある質問をまとめました。

●コンビニで公共料金を支払う際、クレジットカードは使用できる?

公共料金の払込用紙や請求書を使ってコンビニで支払う場合、原則としてクレジットカードは使用できません。例外として、コンビニと提携する特定のカードや電子マネーが使えるケースもありますが、一般的には現金のみの支払いとなります。たとえば、以下のサービスではコンビニ払いでクレジットカードを使用可能です。

【コンビニと提携するカードや電子マネーの例】
・ファミリーマート:ファミマTカードであれば、電気代、ガス代、水道料金をカード払い可能
・セブン-イレブン:電子マネーのnanacoで公共料金の支払いが可能で、nanacoにはクレジットカードでチャージ可能
公共料金の請求額は大きくなることが多いので、手持ちの現金が十分にあるか確認しましょう。現金が不足してコンビニのATMで下ろすと、手数料がかかってしまうことも。クレジットカードを確実に利用したいのであれば、事前に登録手続きを行っておきましょう。

●公共料金とクレジットカードの名義が違っていても利用できる?

公共料金をクレジットカードで支払う場合、契約者とカードの名義が異なるケースがあります。このように両者の名義が異なる場合のカード利用の対応は、公共料金の支払い先によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。たとえば、夫名義で契約している光熱水道費を、妻名義の家族カードで支払う場合などが該当します。ほかにも、一人暮らしをする高校生や大学生の光熱水道費を、親名義のカードで支払いたいと考えているご家庭も多いでしょう。新生活が始まる前に、お早めに各社へ確認しておくことをおすすめします。

■公共料金の支払いに使うクレジットカードの選び方

公共料金の支払いでは、どんな特徴を持つクレジットカードを選ぶべきでしょうか。カードごとにおすすめポイントが異なるため、クレジットカード会社の公式サイトをチェックして、じっくりと比較することをおすすめします。ここでは、公共料金の支払いで使用するクレジットカードの選び方をご紹介します。

●スマホ決済との連携性から選ぶ

スマホ決済とは、スマートフォンアプリなどを利用して支払うキャッシュレス決済のことです。PayPayなどのサービスが代表的で、多くの方に利用されています。

スマホ決済とクレジットカードを連携させると、ポイント還元率がアップしたり、ポイントを二重取りできたり、オートチャージが利用可能になったりなど便利に使えることも。



●還元率などの特徴から選ぶ

公共料金や税金、各種保険料の支払いでポイントが付くクレジットカードを選びましょう。カード会社には多くの種類があり、それぞれ還元率が異なるので、お得な1枚を選びたいもの。その際は、公共料金の支払いに関して、ポイント還元率やポイント加算のタイミング、対象店舗といったポイントプログラムの内容が変更になる場合があるので要注意です。

クレジットカード発行会社は銀行系、流通系、交通系の3種類に大別されます。銀行系のカードは、三井住友カード、三菱東京UFJカード、VIASOカードなどを指し、流通系はセブンカード、イオンカード、エポスカードなどを指します。交通系のカードとは、ビュー・スイカカード、To Me CARD Prime PASMOなどのことです。カードごとに、特徴や共通ポイントの種類が異なります。

銀行系クレジットカードの魅力といえば、セキュリティが高く信頼性が高い点でしょう。ポイントの還元率は低めの傾向にありますが、同じ銀行の口座をお支払い口座にしておくと、手数料の優遇などの利用付帯が得られます。

流通系クレジットカードは、発行元のお店の割引やポイント還元などの付帯サービスを受けられるのが特徴です。多くの場合、リピーター獲得や売上向上につながるような、顧客満足度重視のサービス内容となっています。また、流通系クレジットカードは、店舗で使える電子マネーと一体型のカードも多くあります。セブン-イレブンならnanaco、イオンカードならWAONなどの機能を兼ね備えたカードのことです。

交通系クレジットカードは、付帯サービスとして国内旅行・海外旅行で使える旅行傷害保険がついていることが多くあります。付帯サービスが受けられる点も魅力の一つです。ほかにも、ICカード乗車券の機能とオートチャージ機能を兼ね備えていたり、マイルを貯められたりする点は、交通系ならではの特徴といえるでしょう。

このほかにも、カードによってはショッピング保険のような付帯保険の充実度が特徴となっていることも。支払い時に面倒な操作がない、便利なタッチ決済(コンタクトレス決済)対応のカードもあります。入会時の新規入会キャンペーンや友達紹介キャンペーン、オートキャッシュバックやポイントアップなどのお得なキャンペーンが開催されるカードもあるので、さまざまな特徴から自分に合った1枚を探してみましょう。

●クレジットカードのランクから選ぶ

クレジットカードには、一般カードのほかにゴールドカードやプラチナカードといった高ランクのカードが用意されています。一般的には高ランクのカードであればあるほど、特典や優待サービスが充実している傾向にあります。たとえばマイルやポイントの還元率が高かったり、付帯サービスが充実していたりするため、ユーザーの使い方次第で一段とお得になるでしょう。

カードの種類によっては、海外旅行傷害保険が自動付帯のカードや、空港ラウンジを無料で利用できる場合もあります。さらに高ランクのカードになれば、コンシェルジュがつくなど、1年間の支払い額に応じた豪華な特典もあります。ただし、ゴールドカード以上は目安として1万円以上の年会費がかかり、さらにランクに応じて高額な年会費がかかるのが一般的です。自身のライフスタイルやクレジットカードの利用頻度などを総合評価して、適切な1枚を選ぶことが大切だといえます。

■クレジットカード払いで公共料金をお得に支払いましょう

生活に欠かせない公共料金の支払いは、クレジットカードを使うとお得です。毎月の支払いで効率的にポイントを貯められる可能性があります。

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