家賃はクレジットカードで支払いできる?メリット・注意点と選び方

公開日2021.11.11最終更新日 2024.12.03

賃貸物件で部屋を借りている場合、家賃や管理費、共益費などの支払いが求められます。毎月発生する固定費であるため、クレジットカード決済で支払いを行えれば、ポイント獲得の大きなチャンスになるでしょう。

ただし、家賃支払いは銀行引き落としや振り込みなどが基本とされています。クレジットカード決済可能な不動産会社はあるのでしょうか。

今回は、そもそも家賃をクレジットカード決済できるのかという疑問にお応えします。また、クレジットカード決済対応の物件を探す方法や、家賃支払いにおすすめのクレジットカードの選び方などを詳しく解説していきます。

《TOPICS》

■家賃はクレジットカードで支払える?
■クレジットカードで家賃支払い可能な物件が増えている背景
■家賃をクレジットカード払いできる賃貸物件を探す方法
■家賃をクレジットカード払いにするメリット
■家賃をクレジットカード払いにするときの注意点
■家賃の支払いにおすすめのクレジットカードを選ぶポイント
■家賃をクレジットカード払いにしてポイントを貯めましょう

■家賃はクレジットカードで支払える?

不動産会社によっては、家賃をクレジットカード支払いに変更することができます。ただし、場合によっては初期費用のみクレジットカード決済可能なところもあるため気をつけましょう。

●クレジットカードで家賃の支払い可能な場合がある

一般的に、家賃の支払い方法は現金や銀行振り込み、自動引き落としなどが主流です。ク レジットカード払いには、一部の不動産会社が対応しています。クレジットカード支払い を導入すると、不動産会社はカード会社へ決済手数料を支払わなければいけません。

例えば、家賃8 万円の部屋でも決済手数料が5%必要な場合、不動産会社の手元に残るの は7 万6,000 円となります。1 カ月あたりの手数料は数千円でも、毎月積み重なると大き な額になってしまうでしょう。クレジットカード導入を避ける不動産会社が見られるのは、 家賃収入が減ってしまうことが大きいと考えられます。

●家賃ではなく初期費用だけ対応する会社もある

不動産会社のなかには、家賃のクレジットカード払いには対応していないものの、初期費 用であれば支払い可能というところがあります。初期費用とは、賃貸物件の入居時に発生 する敷金・礼金・仲介手数料などの費用のことです。さらに、引っ越しの際には引っ越し 業者へ支払う料金や旧居の家賃など、さまざまな部分でお金が必要になります。

初期費用は月々の家賃よりも高額になりやすく、利用者の負担につながります。現金一括払いは難しいという方も多いでしょう。そのため、賃貸契約を結びやすくする目的で、カード払いに対応する不動産会社もあるのです。

■クレジットカードで家賃支払い可能な物件が増えている背景

家賃のクレジットカード支払いは、入居者(借主)だけではなく、不動産会社にもメリットがあります。また、キャッシュレス化推進の影響もあり、クレジットカード支払い可能な物件は増加傾向にあるといわれています。それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

●不動産会社にもメリットがあるため

クレジットカードの家賃支払いを導入すれば、入居者による家賃滞納のリスクを減らせるといわれています。現金手渡しや銀行振り込みの場合は入居者が忘れてしまう可能性があります。口座からの自動引き落としも、支払日に残高が不足していれば引き落とすことができません。

クレジットカード払いなら、毎月決まったタイミングでカード会社から自動的に料金が支払われます。仮に入居者の口座に残金が不足していたとしても、カード会社が不動産会社へ立て替えて支払います。入居者への請求はカード会社が行うため、支払い催促などの手間もかかりません。クレジットカードを保有できていることから、入居者に対して一定の信用が担保できるのもメリットです。

●社会的にキャッシュレス化が進んでいるため

国際的な傾向に合わせて、最近は日本でもキャッシュレス化が進んでいます。クレジットカードや電子マネー、スマホ決済が普及しており、買い物の際に現金以外の支払い方法を選ぶ人もよく見られます。クレジットカードに対応していれば、入居者側にとって利便性が高くなるでしょう。
また、クレジットカード支払い導入によって、大家さんや不動産会社は他の物件と差 別化を図ることもできます。消費者のニーズに合わせることで賃貸契約を取りやすくなると期待できます。

■家賃をクレジットカード払いできる賃貸物件を探す方法

賃貸マンション・アパートで住まいを探す場合、クレジットカード支払いできる物件をどのように見つければ良いのでしょうか。クレカ支払い可能な物件を探す方法について、詳しく解説していきます。

●不動産情報サイトで検索する

大手の不動産情報サイトを見れば、クレジットカード決済が可能な物件を集めた特集ページがあります。駅や路線、住所などからWeb サイトを通じて物件が探せるので、気軽に検索できるでしょう。

最寄り駅や家賃などの条件を決めて検索すれば、該当する物件が表示され、間取りや築年数、駅から徒歩何分なのかなど、物件の詳細が確認できます。

クレジットカード決済が可能な物件は、一人暮らしのアパートの部屋から、1LDK、家族世帯向けの賃貸マンション、一戸建てまで幅広いので、自分好みの物件が見つかるでしょう。

●不動産会社に紹介してもらう

最初からクレジットカード対応の物件限定で不動産会社に依頼すれば、物件探しはスムーズに行ってもらえるでしょう。月々の賃料に対するクレジットカード決済の可否は管理会社や大家さんの意向によって異なるため、事前に伝えておけば素早く対応してもらえます。

初期費用の支払い先は不動産会社であることが多いので、事前に初期費用のクレジットカード決済はできるのか、不動産会社で確認を取っておきましょう。

■家賃をクレジットカード払いにするメリット

家賃をクレジットカード払いにすると、どのようなメリットが期待できるのでしょうか?ポイントを貯めるため、家計管理をさらに便利にするためなど、クレジットカードならではのメリットをいくつか紹介します。

●家計管理がしやすくなる

クレジットカードは、毎月発行される明細で利用状況を確認できるため、家計管理をしやすくなるのがメリットです。しかも、家計簿のように自分で出費の内容を記録する必要はありません。食品や日用品の買い物に使うカードと統一すれば、家計の出費をまとめて把握しやすくなるでしょう。さらには、家賃のほかに水道光熱費や携帯電話の利用料金を同じカードで管理することも可能です。過去の支払い履歴を参照すれば、毎月の出費を予測して今後に備えやすくなります。

<関連記事>
公共料金をクレジットカードで支払う方法や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。


●支払いの手間が少なくなる

家賃支払いの方法には、「口座引き落とし」や「銀行振り込み」などの選択肢があります。 口座引き落としでは、引き落とし日までに銀行口座へお金を入金しておく必要があります。 家賃のほかにも固定費の引き落としがある場合、複数の引き落とし日を把握し、管理しな ければなりません。また、銀行振り込みでは店舗やATM へ足を運ぶ手間がかかるだけでな く、場合によっては手数料が発生することもあります。家賃をクレジットカード払いにす れば、これらの手間が少なくなるのがメリットです。

<関連記事>
クレジットカードのメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ、 ご覧ください。


●ポイントやマイルを貯めやすい

家賃は定期的に発生し、かつ大きな支出となります。だからこそ、クレジットカードでポ イント還元できるとお得です。家賃をクレジットカード払いにすると、ポイントやマイル を貯めやすくなるのがメリットです。なお、クレジットカードで貯めたポイントは、景品 や商品券などと交換できます。同じ金額を現金で支払う場合と比べて、よりお得なのがク レジットカードの魅力です。ポイントの還元率はカードにより異なります。効率良くポイ ントを貯めるには、より還元率の高いクレジットカードを選びましょう。

またマイルは航空会社で、フライト回数が多いほど、効率良く貯められます。転勤や出張 が多く、航空会社を利用する機会が多い方は、クレジットカード決済を利用したほうがお 得にフライトを楽しめるでしょう。マイルを貯めれば、座席のアップグレードや特典航空 券に交換したり、他のポイントに交換したりして、支払いに利用できます。

一般的に、還元率1%以上が高還元の目安です。

●家賃を支払うタイミングをずらせる

クレジットカード支払いにすれば、家賃の支払い日を実質、後払いに設定できます。初期 費用の支払いが重なったときや契約更新時など、支払いが多くなる時期には便利です。活 用することで、生活費が圧迫されるのを回避できるでしょう。

●支払いを一つにまとめられる

クレジットカード支払いに設定すれば、家に関する様々な支払い日をクレジットカードの 締め日に統一できます。家賃だけでなく、水道光熱費や通信費などもクレジットカード支 払いにすることで、支払いを忘れる心配もないでしょう。

●保証会社が不要になる場合がある

クレジットカード会社の審査に通っているため、保証会社の利用や連帯保証人が不要と判 断されるケースがあります。物件によっては、保証会社や連帯保証人の代わりに貸主から 新たに指定のカードを作るように求められることもあるでしょう。

●家賃の支払い漏れが起こりにくい

家賃支払いをクレジットカードにすれば、毎月忘れずに支払うことができます。入居者が 自分で銀行振り込みしたり、現金手渡ししたりする方法では、うっかり払い忘れてしまう こともあるでしょう。クレジットカードであれば特定のタイミングで自動的に家賃支払い が行われるため安心です。

■家賃をクレジットカード払いにするときの注意点

家賃をクレジットカード払いにするとき、注意しておきたいことをお伝えします。クレジットカード払いのメリットを生かすために、家賃の支払いでは以下の注意点にお気をつけください。

●使えるクレジットカードが限定されている場合がある

たとえ家賃のクレジットカード払いに対応している賃貸物件であっても、使えるクレジッ トカードが限定されている場合があります。必ずしも希望のカードが使えるとは限らない ため、契約時には注意しておきましょう。どのクレジットカードやブランドを利用できる かは、不動産会社により異なります。家賃の支払いに使いたいクレジットカードがあれば、 事前に利用可能か問い合わせて確認しておくと安心です。

●家賃がポイント対象外の場合がある

クレジットカード会社によっては、ポイントを付与される条件が限定されている場合があ ります。なかには家賃がポイント対象外となるクレジットカードもあるため、あらかじめ カード会社が提供する情報を確認しておきましょう。クレジットカード払いのメリットは、 便利でお得に支払えることです。有効活用するためにも、家賃がポイント対象となるクレ ジットカードをおすすめします。

●家賃が相場より高くないかチェックする

クレジットカード払いに対応している物件は、初めから家賃に決済手数料分が上乗せされ て、金額が高めに設定されている場合があります。家賃が相場よりも高ければ、クレジッ トカードによるポイント還元を受けても、結果として損をするおそれがあるため注意しま しょう。賃貸物件の家賃は、必ず周辺の相場と比較するとともに、適正価格であることを ご確認ください。

●支払いが滞るとクレジットヒストリーに傷が付くことがある

クレジットカード支払いにした場合、引き落とし用の口座残高が不足していると滞納扱い になります。何度も滞納を繰り返すと、クレジットヒストリーに傷が付いてしまい、金融 機関の審査に悪い影響を与えてしまうおそれがあるでしょう。 滞納が発生しないためにも、支払い日前の口座残高に注意しておく必要があります。

●利用可能枠を圧迫するおそれがある

クレジットカードには利用可能枠が設けられています。利用できる金額の上限であり、こ れを超えて支払うことはできない点に気をつけましょう。 家賃は毎月の固定費のなかでも高額になりやすい費用です。利用可能枠が少ない場合、枠 を圧迫してしまうことがあるでしょう。その他の生活費や買い物のためのお金が足りなく なってしまう可能性もあります。

家賃をクレジットカードで支払う場合は、利用可能枠の金額をチェックしておくことがお すすめです。枠が不足しそうな場合は、増枠申請も検討しましょう。クレジットカード会 社に申請すれば、利用可能枠を増やせることがあります。

ただし、申請してもすぐに枠を増やせるわけではなく、クレジットカード会社の審査に通 過しなければいけません。審査結果次第では増枠できないか、希望した金額よりも低い額 での増枠になることがあります。

●引っ越し時に、旧居と新居の家賃の支払いが重なる可能性がある

引っ越しスケジュールによっては、旧居と新居の家賃を同時に支払う必要が出てきます。 支払いが重なった場合、多くのお金を用意しなければいけません。

クレジットカードの支払いは、決済から引き落とし日までにタイムラグがあります。タイ ミング次第では、新居と旧居の家賃が一気に引き落とされることもあるでしょう。貯蓄額 や口座残高はしっかりとチェックし、不足しないか確認することが重要です。引き落とし の際に困ることのないよう、引っ越し資金はしっかりと準備しておきましょう。

■家賃の支払いにおすすめのクレジットカードを選ぶポイント

家賃をお得に支払うためには、クレジットカード選びにも気をつけたいところです。ポイント還元率や年会費、付帯サービスなどに着目して、自分に合うお得なカードを探しましょう。最後に、家賃支払いにおすすめのクレジットカードを選ぶポイントを解説します。

●ポイント還元率

家賃の支払いでポイントが貯まる場合は、ポイント還元率の高いカードを選ぶとお得です。 カードによって還元率は異なります。一度、どの程度ポイントが貯まるかシミュレーショ ンしておくと良いでしょう。場合によっては、年会費を払って還元率の高いカードを利用 したほうがお得になる可能性もあります。

さらに、家賃以外の固定費も還元率の高いカードで支払っておくとお得になりやすいため おすすめです。電気代、ガス代、水道代、携帯電話代など、毎月の支払いにクレジットカードを利用できるか確かめてみましょう。

また、貯まったポイントの使い道についてもチェックしておくことも大切です。例えば、 たくさんポイント付与されても使える場所が限られる場合、ポイントを有効活用できなく なることが考えられます。

●年会費

クレジットカードのなかには、無料で利用できるものもあれば年会費が必要なものもあり ます。一般的に年会費が必要なカードは、付帯サービスや優待が充実しています。ライフ スタイルによっては、年会費が有料のカードのほうがお得になることがあるでしょう。例 えば、頻繁に利用する店の優待が使えるのであれば、年会費無料のクレジットカードを利 用するよりもお得なケースがあります。

支払い金額が少ない場合などは永年無料のカードのほうがお得に使えるかもしれません。 もちろん、保有するのにお金がかからないため、コストパフォーマンスも良いです。 自分のライフスタイルも考慮して、どのカードを選ぶか決めましょう。

●付帯サービス

クレジットカードの付帯サービスは、カードごとに違います。カード選びの際は、付帯 サービスについてもチェックしてみることがおすすめです。

例えば、旅行費用の支払いにクレジットカードを使うことで、海外旅行保険が適用される カードがあります。ゴールドカードやプラチナカードなどのハイクラスなカードであれば、 保有しているだけで空港ラウンジを利用できることもあります。充実した特典を利用した い場合は、付帯サービスの内容を調べておきましょう。

■家賃をクレジットカード払いにしてポイントを貯めましょう

家賃をクレジットカードで支払うメリットやカード選びのコツなどをご紹介しました。家賃は定期的に支払う固定費であり、かつ高額の支出となることが特徴です。現金払いからカード払いに変えると、ポイントやマイルを効率良く貯められるメリットがあります。さらには、家計の管理がしやすくなったり、支払いの手間が少なくなったりするのもメリットです。ただし、場合によっては使えるクレジットカードが限定されていたり、家賃がポイント対象外となったりするため、賃貸契約の前に確認しておきましょう。家賃をカード払いにするメリットを生かすなら、ポイントを貯めやすい高還元のクレジッ トカードがおすすめです。

関連記事

    おすすめの記事