手元に現金がなくても買い物ができるところがクレジットカード払いのメリットですが、カードごとに設定されている「締め日」と「支払日」についてきちんと理解せず無計画にカードを利用すると、残高不足で引き落としができず支払遅延となってしまい、最悪の場合カードが使えなくなるという落とし穴もあるのです。家賃や携帯料金など毎月の支払いを考慮し、計画的にクレジットカードを使う必要があります。本記事では、安心してクレジットカード決済を利用するため、利用分がいつ引き落としになるのか、その仕組みについて解説します。
《TOPICS》
■クレジットカードの引き落としに関する基礎知識
■クレジットカードが引き落としされないとどうなる?
■クレジットカードの引き落とし制度を上手に使った利用方法
■引き落とし日に気を付けて計画的にカードを利用しよう
■クレジットカードの引き落としに関する基礎知識
クレジットカードの引き落としとは「口座振替」を指しており、カードで商品・サービスの支払いをした分のお金が、決められた「支払日」に、利用者が保有している金融機関の口座引き落とされる仕組みになっています。また、クレジットカードには「支払日」の他に、「締め日(締切日)」も存在しており、これらの違いについて理解せずにカードを使い過ぎてしまうと、思いがけないトラブルが起こる可能性があります。まずは、カードを利用する上で欠かせない「締め日(締切日)」、「支払日」などの引き落としに関する基礎知識についてご説明いたします。
●クレジットカードの引き落としのタイミングは?
利用者がカードを使ったときと、利用者の口座から金額が引き落とされるときのタイミングは異なります。
一般的にカードが使われた時点では、お店へ支払う料金はクレジットカード会社が立て替えている仕組みとなっているので、後日、カード会社からまとめて利用代金の請求をされることが多いです。インターネットでショッピングをした場合、購入した商品が自分の元に届く前に引き落としされていることもあります。
銀行口座からの引き落としは、提携する金融機関の営業日に、1回または複数回行われます。具体的な時間帯は、金融期間により異なるため確認が必要です。午前と午後に分けて行われるケースもあります。金融機関によっては当日中に利用料金を振り込んでも、引き落としに間に合う可能性があります。
●締め日と支払い日の違い
クレジットカードの締め日と支払日は、それぞれカードごとに「毎月○日締め、翌月△日払い」というように決められています。
締め日とは、カードの利用金額の集計日のことで、この日までに利用した金額が次の支払日に請求されます。また、加盟店からカード会社への請求が確定する日は確定日といいます。確定日までに、請求処理されなかった料金は締め日までに利用されていても、次々回の支払日での精算になります。 支払い日とは、利用代金がカード会社から引き落とされる日のことで、締め日と支払日は約1か月間のタイムラグがあります。支払い日までに、指定口座に利用金額以上のお金がなければ、残高不足で引き落としされませんので、カードでいくら使ったのかをご利用明細照会などで確認し、引き落とし日までに口座に利用分の金額を用意しておきましょう。
例として、「毎月末日締め、翌月27日払い」のクレジットカードの場合、9月請求分は、9月30日までの利用額を、10月27日に支払うことになります。カードの利用日が10月1日なら、その際の利用額を支払うのは11月27日です。
■クレジットカードが引き落としされないとどうなる?
無計画にクレジットカードを使いすぎて請求額が予想していたよりも多くなっていたり、引き落とし日を忘れて口座にお金を入れていなかったりして、支払い日に「残高不足で引き落としができなかった...」というような経験をされた方もいるのではないのでしょうか?実は、こういった支払遅延はカードを使う上で一番注意しなければならないことなのです。支払遅延すると、利用者にはさまざまなデメリットが生じます。では、一体どのような影響が出るのか?ここからご紹介いたします。
●カードが利用できなくなる
クレジットカードの利用分が口座から引き落とされなかった場合、まず考えられるのは、カードが利用できなくなるということです。利用停止になるタイミングはカード会社によって異なりますが、一般的に1回の支払遅延でクレジットカードの利用が停止されることはほとんどありません。しかし、2回目の支払い日や督促後の支払期日までに入金が確認できなかった場合は、利用停止になることが多いです。
使っているクレジットカードが一時的に利用停止になった場合、利用代金を支払うまで、カードの利用ができなくなります。また、その状態が続いたりカード会社から督促を無視したりしていると、強制解約となったり、利用限度額が制限されたりする可能性がありますので、ご注意ください。
●カード会社から案内が来る
カード会社からカードの利用者へ、利用停止の案内が送られます。利用者本人が銀行口座の残高不足に気づいていない場合があるためです。電話による通知、督促状や催告書の郵送などが案内の方法として挙げられます。電話で連絡が来たら、速やかに指定の銀行口座へ振り込むよう覚えておきましょう。
●遅延損害金がかかる
次に考えられるのが、遅延損害金が発生することです。カードの支払いが遅れた場合、カードの利用代金以外に遅延損害金を支払わなければなりません。1日ごとに遅延損害金の金額は増えていくので、元々の請求金額は数万円ほどだったのに、支払いが遅れ続けたことによって最終的に膨大な金額を負担しなければならなくなる可能性もあります。
●信用情報機関に情報が残る
1回でも支払い遅延があった場合、その情報は信用情報機関に登録され、一定期間残ります。また、そういった事故情報は信用情報機関には数年間残るため、その期間は信用情報に傷がついている状態となってしまい、他のクレジットカードの新規作成がしにくくなったり、新たなローンが組みにくくなったりします。
カードが一時的に利用停止になったり、遅延損害金が出たりするのも十分大変なことなのですが、信用情報機関に情報が残ってしまうと、今後の生活にも支障が出てきてしまう可能性が高いので支払いの締め切り日はきちんと守りましょう。
信用情報はキャッシングの審査でも参照されるため、キャッシング審査に落ちる要因にもなり得ます。他にも、携帯端末の分割払いができなくなるおそれもあるため注意です。
■クレジットカードの引き落とし制度を上手に使った利用方法
ここまでは残高不足になってしまった時に考えられるリスクについて紹介しましたが、もちろん一番大切なのは残高不足にならないように引き落とし日を把握し、安全にカードを利用することです。 ここからは、残高不足にならないためにクレジットカードの引き落とし制度を上手に使った利用方法をご紹介します。
●締め日を意識して利用する
締め日の翌日にクレジットカードを利用すれば、支払いを次々回の支払日に先延ばしすることができます。例えば、締め日が毎月15日締め、翌月10日払いである場合、当月の16日に利用した料金の引き落としは翌々月の10日になります。 また、実際に締め日に集計されるのは、カードで買い物をした店舗からカード会社へ売上データの請求処理が完了した分になるので、締め日ギリギリの利用分は、店舗からの請求処理が間に合わず、次々回の締め日に集計されることもあります。ですので、高額な買い物をしたいときなどは、締め日ギリギリもしくは締め日の翌日にカードを利用すると便利でおすすめです。
●どうしてもまとまった金額がない場合、分割払いやリボ払いを検討する
利用額が大きく、一度に支払おうとすると残高不足になってしまう場合は一括払いではなく、分割払いやリボ払いでの支払いを検討してみるのも良いです。支払い方法の変更手続きなどは、カード会社のWebサイトからでも行えますので、確認してみましょう。リボ払いを選択した場合、一時的に支払遅延を防ぐことはできますが、金利や手数料が発生するためご利用の際には注意が必要です。
リボ払いとは、毎月一定の金額が引き落としされる支払方法です。支払期間に応じて手数料が発生する仕組みになっています。例として、支払残高が5万円で、毎月の支払額が1万円の場合、月々1万円+手数料を5カ月間にわたり支払い続けます。分割払いやリボ払いに変更したい場合は、カード会社のWebサイト上、または電話や申込書などで手続きを行いましょう。
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クレジットカードの分割払いやリボ払いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。是非、ご覧ください。
■引き落とし日に気を付けて計画的にカードを利用しよう
クレジットカードの引き落とし制度は、カードの利用分を自動的に口座から引き落としてくれるので、わざわざコンビニや銀行にお金を振り込みにいかなくても良いところが楽で便利です。しかし、支払い日や締め日を把握せず、無計画にカードを使いすぎると、後から膨大な支払い金額を請求されたり、支払いが難しくなって滞納に繋がったりなど、日常生活に支障が起きるようなことも起こり得るので、常に計画性を持ち、支払期日など決められたルールを守ってクレジットカードを使いこなしましょう。