市民と職員のめんどくさいをなくす!LINEで選挙手続きをデジタル化した江田島市の事例
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広島県江田島市の概要
人口:20,709人(令和6年10月1日現在)
住所:〒737-2297広島県江田島市大柿町大原505番地
Webページより
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江田島市は広島県の瀬戸内海に浮かぶ自然豊かな島々からなる市です。温暖な気候と美しい海の景観が特徴で、かつての海軍兵学校の歴史が色濃く残る地域です。カキの養殖、柑橘(みかん)やオリーブの栽培が盛んで、新鮮な海産物や農産物が特産品です。また、観光地としても人気があり、フェリーで広島市から約30分で便利にアクセスできます。
――LINE Pay 公的個人認証サービスをどのような用途で利用していますか
江田島市では令和5年1月にLINE公式アカウントを開設し、様々な機能を拡張することで市民の利便性向上を図っています。
その1つとしてLINE
Pay
公的個人認証サービスを活用した、不在者投票に係る投票用紙等の請求の手続きを行っています。
――不在者投票用紙等の請求手続きの仕組みを教えてください
不在者投票とは、選挙当日に投票所に行けない有権者が、選挙前に投票できる制度です。この制度は、住民登録がある市町村以外に滞在している方などがご活用いただけます。
従来の不在者投票の手続きは、有権者が「不在者投票宣誓書兼投票用紙等請求書」に必要事項を記入し、選挙管理委員会に持参または郵送により提出する必要がありました。この度、江田島市ではLINE公式アカウントからオンライン請求(他市区町村の選挙管理委員会で行う不在者投票の請求のみ)が可能となりました。
LINE公式アカウントからの請求は、リッチメニュー「予約・申請」から「不在者投票用紙の請求」を選択後、必要事項を入力し、最後にLINE
Pay
公的個人認証サービスによる本人確認をすることができれば手続き完了です。請求手続きは約5分で完了し、簡単に行うことができます。
――投票用紙等の請求手続きをデジタル化したきっかけを教えてください
江田島市では、市民満足度が高いまちづくりを実現するため、デジタルビジョンを策定し、その中で市民の利便性向上と市役所業務の効率化を掲げています。これらの実現のために、まず市役所手続きのオンライン化が重要であると考えました。
他自治体では、普段使い慣れたLINEを活用しており、非常に利便性が高いと感じました。その中でも特に好事例として挙がっていた不在者投票用紙の請求手続きをオンライン化することにしました。
――衆議院選挙2024での利用率はいかがでしたか
令和6年10月15日の公示にあわせて、LINE公式アカウントで不在者投票用紙の請求ができるようになったことを告知しました。選挙期間中のオンライン請求は、全体の約72%(21件)でした。
オンライン請求は、従来の紙による請求よりも、利便性が高いことから、多くの利用につながったと考えています。
――デジタル化をしてみた職員の反応はいかがでしょうか
初めての試みで最初は不安もありましたが、問題なく実施できました。
今までは手書きで記入された宣誓書兼請求書の内容をチェックし、1件ずつ手書きで宛名を記入し郵送していたので、1件を処理するのにもとても時間がかかっていました。
しかし、オンライン請求を開始したことで、請求内容をデータで確認することができ、宛名はシールに印字するだけと大幅な時間短縮(1件当たり約3分)につながりました。
また、請求内容に不備があった場合は、請求された方に電話や、LINE公式アカウント上でのやり取りにより確認を行っています。
郵送物での不備がある場合、市民の方には電話等でやり取りをする必要がありますが、オンライン請求の場合は、LINEのトーク画面で修正内容を入力いただくだけで、市民・職員どちらもストレスなくやり取りができます。
――LINE Pay 公的個人認証サービスは今後のどのように活用していく予定ですか
既に、住民票や税証明書のオンライン請求で活用しています。
これからオンライン請求の件数が増えればRPAを活用し、証明書発行作業を自動処理できたら職員の負担が減るのではないかと考えています。
――今後の目標や展望を教えてください
広島県はDXを効率的に進めるため、県と市町が協働してDXを推進する「DXShip(デジシップ)ひろしま」を掲げています。江田島市も広島県や他市町と協力しながら、市民の方の利便性が向上するように更にLINE公式アカウントの活用に力を入れていきたいと考えています。
――ありがとうございました
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